research 6

研究 6

深度合成ソフト CombineZPの使い方

1. はじめに

画像を多層撮影して深度合成するソフトにはいくつかあるが、このCombineZPはそのなかでも無料かつ最も精度の高い画像が得られる優れたソフトである。Helicon FocusやZerene Stacker(私も愛用している)もあるが、平面的で複雑な表面構造の一部には、CombineZPでいちばん解像度の高い画像が得られるケースもある。しかし、使い方が分からずに使用を躊躇される方、止められる方が少なくないようだ。ここではその使用法について説明する。

2.ダウンロード、インストール

下記のページよりダウンロード・インストールできる。
https://combinezp.software.informer.com/
ここから「CombineZP.msi」をダウンロードされたい。

上のほうにある「Download」のタブを押す。(「Review」の右)。ほかのところは押さない。


この画面が現れ、自動的にダウンロードが始まる。

そして、保存先を指定し(どこでもよいが、通常は「ダウンロード」のフォルダ)、保存する。

そして、保存先を開き、「CombineZP.msi」をクリックしてインストールする。

3.元画像のフォルダ

使用に当たって注意すべきは、元画像を置くフォルダである。フォルダが日本語だと認識されないことがあるので、デスクトップに撮影した元画像のフォルダを置き、フォルダ名は半角英数字にされたい。

4.CombineZPを起動する

インストールすると自動的にデスクトップにソフトのアイコンができるので、それをクリックすると、下記のような画面が立ち上がる。

5.画像を取り込む


左上の「New」をクリックする。

元画像のフォルダを開き、合成する写真を指定する(シフトを押しながら、最初と最後の画像を押すと、指定できる)。ただし、ここで注意すべきは、Windows10以降の場合、数が多いと一度に合成できないというバグがあることである。元画像が多数ある場合は、15枚程度ずつ指定し、合成し、出来上がったそれぞれの画像を再度合成するとよい。

そして、右下の「開く」を押す。

また、画像の深度と画像番号か一致していることが必要。とにかく、順番に深くなるか浅くなるかが重要。

そうすると画像が読み込まれていく。

読み込まれるといちばん最初の画像が現れる。

6.深度合成の開始


次に左上にあるウインドウから「Align and Balance Used Frames (Quick)」を指定し(最初から表示されている)、「GO」を押す。

これにより、画像の位置ずれの補正が始まる。

次に、左上のウインドウで、「Do Stack」を指定し、「GO」を押す。

ここで、各画像の合成が始まる。

合成された画像が表示される(この標本は40枚以上撮影したため、一度に合成できていない)。

7. 画像の保存


次に、左上のほうにある「SAVE」を押す。

デフォルトでは「rectangle_New-Out99999.jpg」になっているが、jpg以外の部分は半角英数字で変更できる。

画像フォーマットの変更も可能。さまざまな画像フォーマットを指定できるが、tifのみ上手くいかないことが多い。

jpgの場合、画像の品質(圧縮率)の変更を求められるが、デフォルトの100のままでよい。「OK」を押すと自動的に保存される。

CombineZPの欠点として、すでに古いソフトであるため、6で述べたようにWindows10以降では多数の画像が合成できないということがある。 しかし、無料である点、その品質の高さから、今でも十分に推奨できる深度合成ソフトである。

撮影のコツについては、以下の文献を参照されたい。

丸山宗利(2010)小型昆虫の深度合成写真撮影法. 月刊むし (473): 38-42.

書籍

昆虫 新版 (学研の図鑑LIVE(ライブ))

丸山 宗利, 長島 聖大, 中峰 空 / 著 学研プラス 2022年6月23日 / 発行

驚異の標本箱 -昆虫-

丸山 宗利, 吉田 攻一郎, 法師人 響 / 著 KADOKAWA 2020年10月16日 / 発行

神秘の昆虫 ビワハゴロモ図鑑

丸山宗利 / 著 エクスナレッジ 2020年12月30日 / 発行